FLY HIGH 一部無料公開♪

   

amazonレビューを抜粋
【この本を読み終えた翌日に航空券を購入しました】 
 
電車の中で読んでいて乗り過ごしました。
とても感性の豊かな人でやさしさ、ひたむきさが伝わってきて、さわやかな気持ちになりました。
著者が行った国々へ行きたいと思い、本を読み終えてから航空券をとりました。
ベトナム、、カンボジア、ラオス&バリへ行きます。

今回の旅は頑張った自分へのご褒美なので何も予定は組んでいませんが、新しい出会いや発見があると信じています。

【カンボジア出発の一週間前】

 

2014年2月2日、私は成田空港第二ターミナルのカウンターに立っていた。

白人のファミリーがでっかいスーツケースを転がして歩いている。若い日本人がおしゃれをしてウキウキしている。きっと大学生の卒業旅行かなにかだろう。バックパックを背負った大きな外人がイヤホンをしながら本を読んでいる。フライトアテンダントのお姉さん集団がカッコよく列をなして歩いている。聞きなれない英語のアナウンスが流れ、高い天井から入ってくる晴天の明るさが空港を明るくしていた。

 

出発は今日ではなく来週。私は4泊5日、人々を笑顔にするためにトランポリンを持ってカンボジアに行くことになっている。予定のカウンターは、まだ搭乗手続きするのに時間があったらしく、お客さんは私以外誰もいなく、数人のグランドスタッフが仕事をしていた。綺麗な格好をしたお姉さんたちがパリッとした顔つきで働いていた。

 

そんなカウンターに縦幅2m横幅50cm重量70kgはあるでかい箱を持って近づいてきた143cmの私は。かなり目立っていたと思う。

 

お姉さんはすぐに気がついて、

「お客様、どうかされましたか?」と近づいてきてくれた。

 

 

私は出発の約半年前にはトランポリンを持って旅をすることは決めていたのだが、肝心のトランポリンを飛行機に乗せてもらうことができるのかどうかは実は一週間前になってもわかっていなかったのだ。

 

動物園にいるゴリラやパンダはきっと飛行機に乗ってきたに違いないと思っていた私は、トランポリンを飛行機に乗せるなんて楽勝だと思い込んでいたからだ。

 

人に言われた。「トランポリンって飛行機に乗るの?」

その質問の意味が初めはよくわからなかった。

 

だってあんなに大きな飛行機にトランポリンが乗らないわけないじゃないか。って思っていたから。

 

でも実際に調べてみたところ、でかすぎる荷物は無理だと書いてあった。

 

「やばい!!!」

 

焦って航空会社のホームページを見て調べたけどよくわからなくて、電話したけど、あっさり一言。無理だって断られた。

 

でもなんで無理なのかよくわからなかった。だって飛行機あんなに大きいのに?トランポリンは人間と同じくらいのサイズなのに?なんで決まりがあると乗せられないの?それがわからなくて、「そうか。電話じゃトランポリンがどんなものなのか見えないから乗せてくれないんだろうなぁ。」と思ってカウンターに直接向かったのだった。

 

「あの。これ来週カンボジアに行く飛行機に乗せたいんですけど。ホームページ見てもダメって書いてあって、電話してもダメって言われちゃって。困っているので、どうやって乗せたらいいのか教えて下さい。」って言ったら

「・・・え????」

ってお姉さんの頭からはてなマークが出ていた。他のスタッフの人たちもあまりのでかさに驚いていたのだろう。その場にいた何人かのスタッフがメジャーやら規定案内用紙みたいのを持ってきて集まってくれた。

「えーっと・・・。お客様、通常のサイズ規定はこちらになっておりますが・・・。念のためサイズを測らせて頂きます。」

手際よくメジャーで測り始め、重さを測ってくれた。

「お客様、申し訳ありませんが縦幅と奥行きだけで既に30cmほどサイズオーバーですので・・・。」って言われたんだけど。サイズオーバーってどういう意味かわからなかった。だから教えてあげるような気持ちで。

「はい。あの、、でも飛行機あんなに大きいから、たぶん大丈夫だと思うんですけど。」

って言ったらお姉さんたちは目を点にしてた。

お姉さんたちの頭からはてなマークが10個くらい出てるのが表情でわかった。でも、私も困っていたから、素直にお願いしてみることにした。

「あの、トランポリン見たこともないような、カンボジアの子どもたちに跳ばせてあげたいんです。たぶん子どもたちめちゃくちゃ喜んでくれると思うんです。私どうしてもどうしてもそれがやりたいんで、運ぶの手伝ってほしいんです。でも、どうしてもだめだったらもう一人分航空券買うから座席でいいから乗せてくれませんか?お願いしますっ。 」

全力で、本気でお願いした。だって誰かが許してくれたら飛行機に乗るじゃんって、絶対乗るじゃんっ。っていう自信あったんだもん。このお姉さんがもし頑張って働いてみてくれたら、たくさんの人たちが笑顔になるんだって思っていた。そしたらきっとこのお姉さん達も「この仕事で世界の笑顔が増えるんだわ♡」なんて思ってくれたら、幸せな気持ちで働けると思ったから。遠慮なく頑張ってもらおうと思った。

 

そしたら困り顏のお姉さんの後ろから、バリッとしていていかにも仕事ができそうな姿勢のいいおば様が出てきた。

 

おば様は私とトランポリンを見た。バリバリに仕事をしていそうな雰囲気。強そうな、いかにも仕事ができそうな人って感じに見えた。おば様は 「トランポリンねぇ・・・。」と言ってスタッフににササッと指示を出し 、現地の空港や、乗り換えの空港、飛行機の運営関係であろう人たちに連絡を取ってくれた。その姿がめちゃくちゃスマートでかっこよくて、見惚れているうちに作業が落ち着いたようで、

「乗り換えの飛行機のサイズが小さいサイズで、それだけ許可が下りるかわからないのでこちらからお電話します。」と言われて「お願いしますっ!!!」とだけ言って、カウンターを後にした。

ダメかもしれないと思いながらも、電話を待った。4時間後くらいに、電話が鳴った。

「結果から申し上げますと、大丈夫です。ただ、追加料金がかかりますがよろしいですか?」

電話の向こうのおば様は優しい声で、顔は見えないけどたぶん笑顔だった。

「本当にありがとうございます!まじで私本気で子どもたち笑顔にしてきますね!お姉さんのおかげです!本当にありがとうございますっ!」

「荷物は私たちが現地まで責任持って運ぶ手配を致しますので、安心してお預け下さいね。当日は私もカウンターでお見送りしますから。たくさんの人を笑顔にできるお手伝いができて私共も良かったです。」

って言ってくれた。嬉しかった。カウンターのお姉さんじゃなくて、もうお友だちになった気分だった。

 

カウンターのお姉さんとか、駅のおじさんとか、仕事の姿を通して接すると、人間味がないような感じに見えたり、ちょっと冷たそうに見えたりする。

 

でも自分が思いっきり心開いてぶつかれば、その人が持っている人間らしい優しい部分を開いてくれる。やっぱりみんな、あったかい人たちに見える。そんな瞬間が私は好きだ。

 

カウンターのスタッフさん達は、 そもそも規定外の荷物だというのに、交渉したり大変だったと思う。トランポリンのために頑張ってくれた。

 

 

 

こうやって私は、たくさんの人を巻き込みながら、たくさんの力に助けられながら、夢というただ一点を見つめて、歩き始めた。

 

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